今日も一日お疲れ様です!
今回は若者のひきこもりと発達について考えていきたいと思います
いつも以上に繊細なテーマですが、不登校・ひきこもり支援において関係者もご家族も大事にしておきたいことを取り上げます
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本日の引用書籍
本日は以下の書籍を中心に引用して記事を作成していきます
タイトル | ひきこもり問題を講義する―専門職の相談支援技術を高めるために |
著者 | 近藤 直司 |
発売日 | 2019/12/5 |
本書はひきこもり支援に長く携わる近藤先生の専門職向けの書籍となります
本書の中身は、特に精神医学的な視点から、ひきこもりの被支援者の内的世界に目を向けたり、支援についてかなり深掘りされている一冊です
専門用語は多くあるものの、解説も詳しく記載されているため、不登校・ひきこもり支援に携わる際に一読してみては
今回はその中から、一部「若者・学生」の支援について書かれている点を抜粋し、不登校・ひきこもり支援について考えていきたいと思います
今回は、具体的な支援策というより、ややエッセイのようになるかと思われますが、是非最後までご拝読いただければかと思います
「学校にいければいい」というわけではない
子どもや若者の支援は、やはり成長や発達を助けることが大事です。そう思ってはいても、実際に問題行動を示している事例に対峙するとその問題を解決するということばかりに頭が行きがちです。
近藤 直司 ひきこもり問題を講義する―専門職の相談支援技術を高めるために
不登校やひきこもりに限らず、学生の支援はしばしば問題行動や課題となる行動そのものの改善に目が行ってしまいます
こと不登校においても、「とりあえず学校に来てもらうため」に様々な施策を多くの学校現場で試されています
私が小さい頃は対象の生徒に対し、寄せ書きを書いたり、クラスの代表者が自宅に迎えに行くなどしていました
もちろん、それらの施策は決して悪いことではありません
それらの対応をきっかけに一度登校してみたら、そのまま学校に楽しく通い続けられる子もいると思います
周囲のクラスメイトも協力的なら、友達を思いやるそのような気持ちも大切にしてあげたいですね
しかし、不登校において文部科学省からの通知にも記載があるように、不登校支援の本質は「登校する」ことではありません
(1)支援の視点
文部科学省 不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)
不登校児童生徒への支援は,「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく,児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要があること。
これらのことをふまえ、表面的な問題だけに注目をせず、課題を本質的に捉えていきたいですね
裏に潜む課題に目を向ける
不登校やひきこもりの背景になる要因は当事者の数だけあります
・自己肯定感が低い
・コミュニケーションが苦手
・集団活動が苦手
・生活習慣が乱れている
・授業についていけない
などなど
これらの要因の中には環境を整えるだけで状態が改善されるものもあります
特に、学習場面や活動内容に明確な苦手さがある場合には、合理的配慮や構造化が為されているだけで有効なこともあるでしょう
生活や学習のさまざまな場面で、その意味を理解し、自分に何が期待されているのかをわかりやすく伝えたり設定したりするための方法
その一方で、被支援者の成長や発達、心の要因に目を向けると、事態は実は複雑な場合もあります
たとえば、その人が安定した自己感を持てるようになること、その人なりのアイデンティティがしっかりしてくることなどが大事になるし、内的な対象関係が穏やかなものになって、その結果として実際の対人関係も安定してくることも大事です。
近藤 直司 ひきこもり問題を講義する―専門職の相談支援技術を高めるために
[登校する]だけにとらわれず、その人それぞれの苦しさに目を向けていきたいですね
発達障害のお子さまの不登校
調査によっては「不登校の半数程度が発達障害」といわれており、発達障害と不登校の関連はよく取り上げられるテーマです
本書では、「発達障害と判断したときに生じる気の緩み」というテーマで以下のように記載されています
発達障害だと思うと、その人にわかりやすい情報を提供の方法は何かとか、その人が過ごしやすい環境を整えることとか、その人に合った仕事の仕方とか、自己理解とか、そういうことにしか目が行かなくなる。それ自体にもとくに異論があるわけではないのですが、発達障害、あるいはなんらかの発達特性をもった人にも自己感やアイデンティティがあるし、対象関係や対人関係があるし、いろいろな欲求や葛藤・不安があるし、適度な超自我を身につける必要がある。
近藤 直司 ひきこもり問題を講義する―専門職の相談支援技術を高めるために
<中略>
それから発達障害の人にも特有の傷つきというものがいろいろあるので、そのように考えると本格的な面接・心理療法の対象になる人がたくさんいると思うんです。
これは本当に私のように発達支援に軸足を置いている人間にはハッとする文章です
(前の章で構造化について語ったばかりですしね💦)
これらの内容は特に思春期以上の発達検査を受けたお子さまの支援では、身に沁みるものがあります
例えば、以下のような流れで支援が滞っているパターンを散見します
・発達的な要因により、不登校や教室・学習への抵抗、などが見られる
↓
・当該生徒の気持ちも落ち込む
↓
・医療受診し、発達検査を受ける
↓
・発達的な特徴が少し見えてきて・支援の方向性も決まりそう
↓
・一方で、落ち込んだ気持ちへの支援が為されない
↓
・気持ちが落ち込んでいるままなので、発達支援が活きない
↓
・現場の職員にも半ばあきらめムードが漂う
不登校に至るまでに自己肯定感が低下したお子さまであれば、発達的な支援策を講じても「どうせ俺なんか…」とそもそも前を向く気持ちにならないかもしれません
また、担任や周囲の支援者に不信感を募らせているお子さまであれば、不信感の対象になる相手から支援されても抵抗したくなる気持ちも分かりますよね
具体的な支援については、それぞれのお子さまの様子や特徴や思いによるため、歯切れよく「こうすればいい!」と断言できないところがもどかしくはあるものの、
発達的な側面と心理的な側面を総合的に考えながら支援をしていくことが大切なのだと思います
まとめ
本日は不登校について発達障害との関連にも触れながら、支援の姿勢についてお伝えしました
今日のまとめです!↓
・「登校すればいい」というものではない
・不登校にいたるまでの背景的な課題の改善をはかろう
・発達障害のお子さまの支援において「発達特性に対する支援」だけでなく、心理支援も大切にしていこう
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また、今回の内容は本書全体のほんのごくごく一部の内容にしか過ぎません
やや難しめの内容ではあるものの、一読の価値ある書籍になっておりますので、是非お手に取ってみてください
育児で悩んだら専門家に相談するのもアリ
・ここまで記事を読んでみたけど、あまりにも上手くいくイメージができなさすぎる
・育児が本当にしんどい
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そんな方は一度身近な専門家に相談するのもアリです!
多くの自治体で無料で専門家の相談を受けられるような窓口がありますので、
是非「〇〇市 発達 相談」「〇〇町 育児 相談」などのキーワードで調べてみてください
私でよければいつでも相談を受付けています
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定期健診を行っている保健師さんや、通われている保育園/幼稚園/学校の先生方に直接話したり相談先を聞くのもおススメです
何よりも一人で抱え込まないことが大事です
お子さまと同じくらい大事な保護者さまですので、無理をする前に誰かに話してみてください