「ほめるところが見つからない!」ペアレント・トレーニングから学ぶ、ほめ方の視点

発達

今日も一日お疲れ様です!
子どもの「ほめ方」についてこんなふうに思うことはありませんか?

・「ほめたい」とは思っているけど、子どもがいたずらばかりする
・ほめてはいるけど、注意する時の方が多い
・子どもが悪さばかりするから褒めるような気分にならない

そんな時「ペアレント・トレーニング」の考え方を知ると、
少し見え方が変わるかもしれません

このブログではできるだけ背景となる理論やエビデンス(根拠など)を提示し、
できるだけ読んだその時から使える知識をお伝えすることを目指しています

くらた
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本日の引用書籍

本日は以下の書籍を中心に引用して記事を作成していきます

タイトル発達障害の早期療育とペアレント・トレーニングー親も保育士も、いつでもはじめられる・すぐに使える
著者上野良樹
発売日2021/3/10

ペアレント・トレーニングって?

ペアレント・トレーニングは1960年代頃、アメリカで発展した親が日常生活で子どもに適切にかかわることができるようになることで、子どもの行動改善や発達促進を期待する、心理教育的なアプローチのことです

「親」のための「トレーニング」という印象を受けるかもしれませんが、保育園/学校でも(特に加配保育士さんや、支援員さんは有効かも)活用できるものです

主に発達支援の視点で活用されることが多いように思いますが、どんな子にでも活用できます

本著ではペアトレの大切なこととして以下のように書かれています

大切なことは適応行動、言いかえれば子どもたちの体験を成功体験に導くことであり、失敗体験を重ねさせてしまう事による二次障害を防ぐことです。

上野良樹 発達障害の早期療育とペアレント・トレーニング
二次障害とは

子どもの特性に合った関わり方や必要な支援を受けることができず、強いストレス体験が多く発生し、精神疾患や社会適応に困難さが出てしまっている状態

ほめづらい原因

少し原因について考えてみましょう
もしかしたら保護者さま自身の考え方の気付きになるかもしれません

そもそも良いことは目に入りづらい

「全然良いところ見つけられなくて…ダメですよね…」
そんなことをお話ししてくれた保護者さんが何人かいらっしゃいます

本書の中ではこんなふうに言われています

(子どもの)うまくできないことは、嫌でも目に入ります。がんばっていることは目に入っていても、日頃のできないことに覆われて気づけないこともあります。

上野良樹 発達障害の早期療育とペアレント・トレーニング
くらた
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そもそも良いところや頑張っているところが見つけられないのが普通だ!

くらいの気持ちがちょうどいいかもしれませんね

褒め方を難しく考えすぎかも

「今褒めどころかも!」と思っても「あれ?〇〇ってセリフ言っちゃダメって聞いた気がする」「△△ってセリフが良いって聞いた気がするけど、タイミング変かな…」と考えているうちに子どもは次の遊びを始めている事ありませんか?
(私は発達支援分野で働き始めたころめちゃくちゃありました!)

情報が多く溢れる昨今、褒め方も「これは良い」「これはダメ」が多くあります

褒め言葉を伝えるときのポイントとして本書ではこんなことを言われています

伝えたいのは、「あなたのことを見ているよ」、「その行動がいいよとおもっているよ」ということ

上野良樹 発達障害の早期療育とペアレント・トレーニング

具体的にどう伝えていくのかは次の章でお伝えしますね

個別の苦手さが隠れているかも

100人いれば100通り!
あの子にできたことがこの子にはできない、そんなことはたくさんあります

本書であげられた苦手さを一部抜粋します

・できること、できないことが、まだ凸凹している
・記憶する力や、見通しをつける力がまだ弱い
・感覚や運動のバランスが未熟

上野良樹 発達障害の早期療育とペアレント・トレーニング

これらはほんの一例です
これらの苦手さがあるため、保護者からすれば「うちの子全然できない」という想いに繋がってしまうこともあるかもしれませんね

またほめづらい原因についてあげればキリがないほど色々あると思います
・家事に隙間時間がなさすぎる
・嫌なことが続いて前向きなことを考えづらい
・仕事がうまくいっていない

などなどもあるでしょう

ほめるところを見つける

ここからはほめるところを見つけるためにできることを具体的にお伝えします

行動を3つに分類しよう

一般的にペアトレでは子どもの行動を
1.好ましい行動
2.好ましくない行動
3.危険な行動
の3つにわけますが、本書の中では以下のように分けられています

(1)できていること
(2)まだうまくできないこと
(3)できればやめてほしいこと

上野良樹 発達障害の早期療育とペアレント・トレーニング

これらを分類する時に大事なのは「行動」を示すことです
「~しない」ではなく「~する」を書くことが重要とされています

例えば(1)[できていること]では「給食の時に周りに迷惑をかけない」ではなく「自分の席に座ってご飯を食べる」「給食の準備を自分でする」と書く

特に(2)[まだうまくできないこと]では「お友達に貸せるようになる(目標)」ではなく、現在の行動をそのまま書いてほしいので「お友達のおもちゃを取る」と書くようなイメージです

これらを例えば下記のような表にして書いてみましょう

できていること
(好ましい行動)
まだうまくできないこと
(好ましくない行動)
できればやめてほしいこと
(危険な行動)
・ご飯の準備をする
・靴を自分で片付けられる
・お皿を持ってきてくれる
・お友達のおもちゃをとる
・約束の時間を過ぎても遊んでいる

・暴言を吐く


このように書き出してみると「あれ?うちの子結構いろいろできるじゃん」と思ったりしませんか?
「〇〇ない」という表現を使うと「切り替えができない!」「言うこときかない!」と否定的な様子に目がどうしてもいってしまいます

肯定的なものも否定的なものも「〇〇する」と表現することで少し冷静に分析できるのではないでしょうか

行動を3つに分類し、今できているところに注目するということは、肯定的な注目を通して、子どもに「自分のことをいつも見てくれている人がいる」と感じてもらうことです。

上野良樹 発達障害の早期療育とペアレント・トレーニング

子どものやっていることをそのまま言葉にしてみよう

さて、具体的なほめ言葉をどうするか
本書では下記のように記載されています

今できていること、「あいさつする」「おもちゃを片づける」などのごくふつうなこと、ちょっと自分でがんばってみようとしていること、それらが目に入ったら、「あいさつできたね」、「ひとりで片づけたね」とその行動を短くことばにします。

上野良樹 発達障害の早期療育とペアレント・トレーニング

え?それでいいの?
そんなふうに思われるかもしれませんが、いいんです

ただ、簡単そうに見えて実は難しいのが「ちゃんと声をかけること」です
例えば、朝の準備の時、モタついてるお子さまに「速くして!」とは声をかけるものの、子どもがいざ急いだ時に「お!靴はくの早いね!」と声をかけるのは忘れてしまいがちです
心の中で「お、これなら間に合う」と一安心して終わることもあれば、
イライラしていれば「言われる前にやってよ!」と追い打ちをかけているかもしれません

前半でも記載した通り、大切なのは「その行動いいよ」と思っていることを子どもに知ってもらう事

普段ならわざわざ声をかけないようなことでも、
肯定的に言葉にしてあげると、「肯定的な注目」に嬉しくなる子が多くいます

また、それが次の「注目してもらいたい」という動機に繋がり、[好ましい行動]が増えるかもしれません

身近な専門家に相談してみよう

今回紹介した内容は手法の一つであり、その中でも更に一例を抜粋したものになります
これらを試したことにより劇的にお子さまの様子が変化することは難しいかもしれません

・ここまで記事を読んでみたけど、あまりにも上手くいくイメージができなさすぎる
・育児が本当にしんどい


そんな方は一度身近な専門家に相談することを考えてみてはいかがでしょう

多くの自治体で無料で専門家の相談を受けられるような窓口がありますので、
是非「〇〇市 発達 相談」「〇〇町 育児 相談」などのキーワードで調べてみてください

私でよければ有料ですがいつでも相談を受付けています(←クリックでリンクにとびます)

定期健診を行っている保健師さんや、通われている保育園/幼稚園/学校の先生方に直接話したり相談先を聞くのもおススメです

何よりも一人で抱え込まないことが大事です

お子さまと同じくらい大事な保護者さまですので、無理をする前に誰かに話してみてください

まとめ

さて、本日は「子どものほめ方」「ほめるところの見つけ方」について、上野良樹先生の「発達障害の早期療育とペアレント・トレーニング」を引用しながらまとめました
今回の内容は大きく以下の通りです

・そもそもほめるところを見つけるのは難しい

・子どもの行動を3つに分類する

・子どもの行動をそのまま言葉にする

・大事なのは「親が肯定的に注目していること」を、子どもに知ってもらう事

皆様の生活に少しでも役に立つ内容はありましたでしょうか
おもしろかったつまらなかったここがよく分からなかったこの情報間違ってるよ!おススメの映画教えて🎦、などご意見・ご質問等ございましたら、何でもお気軽にLINE(←リンクになってます)ください!信じられないくらい気軽にお返事させていただきます^^

また、今回の内容は本書全体の一割程度の内容にしか触れていません
本書の後半ではより具体的な関わり方や遊び方についての記載があり、
保護者から専門家まで一読する価値のある素晴らしい書籍となっています
是非、手に取ってみてください

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